ISBN:4163219501 単行本 桐野 夏生 文藝春秋 ¥1,905
はっきし言います
女性週刊誌とかでも絶賛されているように
文句なしの最高傑作です
ここまで何回も読み直したくなるような小説は初めてです
登場する主な人物は主人公と思われる「わたし」、その「わたし」の
妹で少女時代見る者全てを魅了するほどの怪物的な美貌を持ち、
生まれながらの淫乱症であるユリコ、一番になることにこだわり
一番を求めるあまりカルト宗教にのめりこんでしまい大量殺人の片棒
を担ぐことになるミツル、東電OL殺人事件をモチーフとしたような
昼は一流会社員で夜は娼婦、それで最期は殺されてしまうという和恵、
の4人の女性です。
この物語は「わたし」視点を中心にしてユリコや和恵視点の話とか
が淡々と語られていきます。はじめは「わたし」視点で読めるので
他の3人は最悪な奴やなって思いますが、実は「わたし」も最悪な
奴でした。で、他の人物がいい奴かって言えばそうでもなく、やっぱし
最悪な奴でした(笑)。感情移入して読むということはできないかも
しれません。でも、内容が実にリアルでおもろいんです。
例えば4人は初等部から大学まである学校で出会うわけなんですが、
そこでは初等部からきた人間が最上級の位で途中から入学してきた
人間はどんなに一生懸命頑張ってもその位になることができない、
という「生え抜き」至上主義の部分を描いていたり、中学までは
成績が一番でこの学校に入学できたが、そこには同じような連中が
集まっていて、今までは一番だったが高校では一番になれず努力では
勝てない才能というものを実感し、諦めたり、その才能の差を必死に
埋めようと一生懸命頑張るが、結局は報われないという結果になる者
が居るというところが実にリアルに描かれていました。
他にはユリコは若い頃は怪物的な美貌を持っていたが歳をとってそれが
衰えてしまい、最後には立ちんぼ(街に立って直引する娼婦)になった
時に和恵と出会い、和恵に開口一番「あなたブサイクになったわね。」
みたいなことを言われてしまったりします。でも、実は和恵の方が
醜くなっているのですが、和恵自身は自分は美人だと信じているだけ
なんです。こういうところってすっげぇリアルやなって思えます(笑)。
最期は俺好みの救いようのない終わり方をしてくれたり、人の心の闇
の部分だけをひたすら書き綴ったまさにグロテスク
な最高傑作でした。この本はもう文句なしに☆☆☆☆☆です。
できればもう一つ星をつけたいくらいです。
って、他人がここまで推薦する本って意外と読まんとこって思ったり
するんですよね(笑)。
はっきし言います
女性週刊誌とかでも絶賛されているように
文句なしの最高傑作です
ここまで何回も読み直したくなるような小説は初めてです
登場する主な人物は主人公と思われる「わたし」、その「わたし」の
妹で少女時代見る者全てを魅了するほどの怪物的な美貌を持ち、
生まれながらの淫乱症であるユリコ、一番になることにこだわり
一番を求めるあまりカルト宗教にのめりこんでしまい大量殺人の片棒
を担ぐことになるミツル、東電OL殺人事件をモチーフとしたような
昼は一流会社員で夜は娼婦、それで最期は殺されてしまうという和恵、
の4人の女性です。
この物語は「わたし」視点を中心にしてユリコや和恵視点の話とか
が淡々と語られていきます。はじめは「わたし」視点で読めるので
他の3人は最悪な奴やなって思いますが、実は「わたし」も最悪な
奴でした。で、他の人物がいい奴かって言えばそうでもなく、やっぱし
最悪な奴でした(笑)。感情移入して読むということはできないかも
しれません。でも、内容が実にリアルでおもろいんです。
例えば4人は初等部から大学まである学校で出会うわけなんですが、
そこでは初等部からきた人間が最上級の位で途中から入学してきた
人間はどんなに一生懸命頑張ってもその位になることができない、
という「生え抜き」至上主義の部分を描いていたり、中学までは
成績が一番でこの学校に入学できたが、そこには同じような連中が
集まっていて、今までは一番だったが高校では一番になれず努力では
勝てない才能というものを実感し、諦めたり、その才能の差を必死に
埋めようと一生懸命頑張るが、結局は報われないという結果になる者
が居るというところが実にリアルに描かれていました。
他にはユリコは若い頃は怪物的な美貌を持っていたが歳をとってそれが
衰えてしまい、最後には立ちんぼ(街に立って直引する娼婦)になった
時に和恵と出会い、和恵に開口一番「あなたブサイクになったわね。」
みたいなことを言われてしまったりします。でも、実は和恵の方が
醜くなっているのですが、和恵自身は自分は美人だと信じているだけ
なんです。こういうところってすっげぇリアルやなって思えます(笑)。
最期は俺好みの救いようのない終わり方をしてくれたり、人の心の闇
の部分だけをひたすら書き綴ったまさにグロテスク
な最高傑作でした。この本はもう文句なしに☆☆☆☆☆です。
できればもう一つ星をつけたいくらいです。
って、他人がここまで推薦する本って意外と読まんとこって思ったり
するんですよね(笑)。
ISBN:434400454X 単行本 高田 侑 幻冬舎 ¥1,600
ここにきて初のレビュー機能使ってみます。
この本はホラーサスペンス大賞の大賞に選ばれた本です。
今までホラーサスペンス大賞の大賞や特別賞を受賞した作品は
俺的に全部よかったので今回も楽しみにしてこの本を買いました。
主人公は人の負の感情を感じることができる超能力がある
・・・この時点で結構ぶっ飛んだ内容で大丈夫かなぁって思いました。
トンデモ話になるのかなぁと思いながら読んでいくと、意外とそう
でもありませんでした。この小説の本筋は一応殺人事件とかが起きて
それを解決していくというものなんですが、どっちかっていうと
途中に出てくる主人公の会社の女性部下との不倫。これが本筋の
ような内容でした。その一度きりの不倫によって家庭が段々と壊れて
いく過程がリアルに書かれています。最後は後味の悪い終わり方
じゃなく結構救いのある終わり方やったんちゃうかなって思いました。
ただ、途中主人公と不倫をした女性部下について少し物足りない部分
があるなぁって思ったり。
全体的にはまぁまぁの☆☆☆くらいだと思います
ここにきて初のレビュー機能使ってみます。
この本はホラーサスペンス大賞の大賞に選ばれた本です。
今までホラーサスペンス大賞の大賞や特別賞を受賞した作品は
俺的に全部よかったので今回も楽しみにしてこの本を買いました。
主人公は人の負の感情を感じることができる超能力がある
・・・この時点で結構ぶっ飛んだ内容で大丈夫かなぁって思いました。
トンデモ話になるのかなぁと思いながら読んでいくと、意外とそう
でもありませんでした。この小説の本筋は一応殺人事件とかが起きて
それを解決していくというものなんですが、どっちかっていうと
途中に出てくる主人公の会社の女性部下との不倫。これが本筋の
ような内容でした。その一度きりの不倫によって家庭が段々と壊れて
いく過程がリアルに書かれています。最後は後味の悪い終わり方
じゃなく結構救いのある終わり方やったんちゃうかなって思いました。
ただ、途中主人公と不倫をした女性部下について少し物足りない部分
があるなぁって思ったり。
全体的にはまぁまぁの☆☆☆くらいだと思います